ヒトパルボウイルスB19を原因とする感染症です。患者報告は小学校入学前後の小児のものが多いですが、成人の発症もあります。症状は、両頬に赤い発疹、体や手・足に網目状の発疹がみられ、1週間程度で消失します。両頬がりんごのように赤くなることから、通称『りんご病』と呼ばれています。発疹が淡く、他の疾患との区別が難しいこともあります。発疹が出現する7~10日前に、微熱や風邪のような症状がみられることが多く、この時期にウイルスの排出量が最も多くなります。
画像:国立感染症研究所HPより
通常、小児では典型的な臨床症状から診断されることがほとんどです。成人の場合、頬部の紅斑などを伴わないことがあり、風疹との鑑別が困難なことがあります。ウイルス学的な検査が必要になります。
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
多くの感染者は、自然経過で治ります。
予防接種はありません。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに触れることによって感染(飛沫・接触感染)する感染症なので、一般的な予防対策(手洗い、うがい、咳エチケット等)を心がけることが大切になります。
ただし、症状が現れた時は、すでに感染力がないため、感染予防が困難な病気です。
2次感染予防が困難なため、登校停止期間は設けておりません。
妊婦から胎児に感染すると流早産しやすく、稀ではありますが、重度の貧血から胎児水腫→胎児死亡をおこすことがあります。
妊娠前半期の感染がより危険ですが、妊娠後半期でも胎児への感染は生ずるとの報告もあります。
貧血が進行することがあります。
周囲で流行がみられる時は、外出時はマスクを着用しましょう。